野川 長野まゆみ
夏休みの課題図書の紹介に長野まゆみの「野川」が載っていて、
懐かしくなってきてさっそく読んだ。
昔から作者のファンで近年読んでなかったけど、久しぶりに読んだらよかった。
宮沢賢治×森茉莉を彷彿させる、少年と自然の描写が生き生きとした美しい文体は健在。
あらすじは、父と田舎に転校した音和。
野川の近くの関東ローム層の泥に囲まれた学校の新聞部に入った音和は伝書鳩を育てる仲間たち
と出逢う。変わり者の教師に刺激されながら、鳥の目で見た世界を意識するようになり…。
近年、登場人物が人間らしくが魅力的に描写されている。
理想の先生と先輩。これは、確かに課題図書に向いてるかも。
実際、過去にもよく課題図書とか、入試とかにも出てる。
さて、長野まゆみ作品もいろいろである。
高校に入学して、図書館に友達と読書タイムの本を借りに行った。
入り口の近くの机に、新刊とかおすすめ本が置いてありそこに「猫道楽」の本があった。
表紙とタイトルがかわいいなぁと思い借りてみたら、けっこう、やおい内容だった。
高校の図書館に置いてもいいのかよ的な。
その後も、ひたすら読みまくった。
凛一シリーズは、最後まで氷川先輩の魅力がさっぱりわからなかった。
そして、長野まゆみの代表作(問題作!?)といえば「夏至祭」。
濃密に匂い立つ夏の熱風、うだるような暑さと腐臭とグロテスクな美。
結局、少年たちの死体と謎の男のトランクはなんだったんだ。。。
衝撃のラスト。落ちがない。無理して終わった感がある。
しかし、表紙に惹かれて読むこともしばしば。
美術系の大学を出てることもあり、作者の描いた表紙もセンスいい。